双極性障害(躁うつ病)のT.M.です。
FDAではたぶん、「出勤状況も安定している」、「寛解※ではないか」と思われています。 ※症状が消えていること
とんでもない 優雅な白鳥が、水の下では足をジタバタしているのと同じ。
以前より波が小さくなったとはいえ、この1年も、躁状態やうつ状態がありました。判断が的確だから、対応能力があるだけ。
それを、周囲にほとんど見せていないのです。

【動くぞ! ジャンプ!】
直近はうつサイクルですが、勤怠に影響は出さずFDA通所。なにしろ仕事もあって、簡単には休めません。おもな症状は、朝、起き上がるのにエネルギーがいるということ。動き出せば動けるんですが

主治医が交代して初めてのうつ状態です。どんな処方で来るかと思っていたら、なんと、ドグマチールとジェイゾロフトの併用


双極(特に1型)相手に坑うつ薬を出す時は慎重にというのは、セオリー中のセオリー(簡単に躁状態に切り替わるから)。しかも、坑うつ薬の多剤併用なんか、やったことありません。
まあ、ドグマチールは「意欲」に効く薬で、ジェイゾロフトは「気分」に効く薬。相互補完性は高く、余分な副作用も少なそうですが……
結論から言えばドグマチールは数日で効いたため停止。ばんばんざい。あとはジェイゾロフトだけです。

【薬を止めたタイミングが、ぱーぺき!】
自分がドグマチールを警戒するのは、わけがあります

ドグマチールを始めて、3日めのこと。
その日、T.M.は、わけあって、普段は目にせぬ女性週刊誌なるものを見ていました。途中で求人広告がズラズラ。ついぞ一般紙やビジネス紙では見かけぬ内容で興味を持ちましたが、本気で就職活動をしていたわけじゃないぞ

この求人欄、ある一角が異彩を放っていたのです。
「占い師募集。お客様の前世のカルマが見える方」
「霊能者、超能力者歓迎。経営者も霊能者です」
霊能者、超能力者歓迎! 前世のカルマ!
床を手のひらでベシベシ!
雇い主に、超能力やカルマを見抜く能力があるのか? そもそも、面接でどんな会話をしているんだ?
ドグマチール3錠と求人広告だけで完全に躁転したT.M.は、1日中、床ベシベシを続け、「前世



さすがに、自分でも、躁状態に切り替わったことを自覚して、主治医にメール。「笑いが止まりません。薬を割って飲む、つまり、半分にするのはどうでしょうか」。主治医は明確でした。「完全に止めてください」。
これが、躁転ってやつ。だから、双極患者は、本当は抗うつ薬を避けたほうがよいのです。現実には、決め手が少ないので、おそるおそる飲む例が多いのですが。
ドグマチールの名誉のために言っておきますが、うまく使えば、すごく効く薬です。また、ジェネリック医薬品が存在することから、スルピリドという一般名も覚えておきましょう。

【ひょっとして、「薬は毒だ」って論調を期待した?】
薬? 必要に決まってます。「精神科の薬は毒だからやめろ」とか眠たいことを言っていたら、こと双極性障害は悪化必至。
精神科の病気も様々ですが、双極性障害では西洋薬の服用は絶対条件。その上で、行動療法を併用したり、効くのかよーわからんけど魚油を試したりするのは、悪くありません。